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HOME < 学校長 四方山話 < 第二回「建学の精神の一つの柱 -野外活動の思い出-」
金蘭千里学園の学校長である、辻本賢が、日々の出来事を徒然に書く日記です。
不定期更新になりますが、お楽しみください。
 
建学の精神の一つの柱 -野外活動の思い出-
(昭和42年7月、一期生、高三時の蒜山キャンプ)
暑かった。とんでもなく暑かった。
高い木などなく、日かげを作るものは、何もなかった。
木☆先生は、カッターシャツに革靴という出で立ちで、
今では考えられないほど、
大きくて重い8ミリカメラを担ぎ、
撮影されておられた。
先生が、遅れだした。
生徒の何人かが先生を気遣い、
励ます役回りを果たすことをいいことに、
私と一緒にわいわい言いながら楽しく山を下っていった。
私たちは、前の人と随分と離れていて、
自然と押後の役目を務めていたのだった。

喉が渇いていた。既に水筒は空っぽであった。
小川に差しかかった。
☆条君が水筒のコップに水を掬って、
先に私に差し出してくれた。
あの水の美味かったこと。嬉しかった。
山路を降りてくると、下の方に川が光っていた。
暗黙の了解、泳ぐことになった。
パンツ一つで川に飛び込んだ。
体の火照りがなくなり、水の冷たさがしみる頃、
下の方から、☆藤君が駆けてきて、
「先生、みんな待ってまーす」と大音声で呼ばわった。
泡を食ってびしょびしょのまま
キャンプサイトまで走りに走った。
途中、校長先生に叱責されるだろう、
「まあ、首になっても仕方がないか」
と思いつつ帰ってみれば、
☆下先生が、「最後尾が走って帰ってきた。頑張った」と
声をかけてくれ、生徒たちからは拍手までもらった。
何かおかしい。何処かおかしい。
完全に☆藤君に騙されていたのだった。
後に、☆川君が一緒に走りながら、
「もし辻賢がやめるなら自分もやめてもいいか」と
思ってくれていたことが分かった。
これまた、嬉しかった。
一期生の思い出の一つは、このようなもので、
まさに、青春の1ページであった。

記憶違いがあるかもしれない。
それでもそう思っているのだから。

*蒜山キャンプには、中三生(=高校四期生)1クラス16名も参加
 
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